ソフィア・ファーム・コミュニティー [バイオダイナミック農法]
A Biodynamic CSA Farm
based on Rudolf Steiner's indications for a healing, ecological, and spiritual approach to a sustainable care of the Earth.
バイオダイナミック農業の生産物は、食べる人の人生の課題に気づき、行動する力を与えてくれると言われています。
ソフィア・ファーム・コミュニティはバイオダイナミック農業を実践し、心の栄養となる生産物を供給していきます。
ソフィア・ファーム・コミュニティの活動を通して、少しでも地球を癒せればと思っています。
皆様のお力をお借りして、野菜や動物を育て、環境に配慮し、
地球を癒す生き方にチャレンジする多くの方に、学びの場を提供できればと願っています。
どうぞ皆様、ソフィア・ファーム・コミュニティーの活動にご協力ください。

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2008/11/28
北の大地に生まれた農業の新しい息吹
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日本人智学協会の冊子「シュタイナートウデイ No3」に
北の大地に生まれた農業の新しい息吹
「未来を創る」学びと実践の道のスタート
と題され、9月に主催した農業講座のレポートが掲載されました。

内容は、以下です。これは途中までなので、12月に再度掲載される予定です。
そのとき又、この続きを載せますのでお楽しみに!

北海道での連続農業講座の報告

さる9月21日〜23日、「牛が農場に存在することの重要性
 牛がもたらす、地球、環境、農場、生産物そして人間への恩恵」と題し、
九州阿蘇のバイオダイナミック(BD)農場「ぽっこわぱ耕文舎」のピリオ・ドニーさんをお迎えして、第9回農業講座を北海道十勝、更別村にて、北海道バイオダイナミック協会と、更別村で活動を始めた王BDファームの共催で開催いたしました。
今年は、BD農業をするのに欠かすことの出来ない牛の存在と意味についての学びを深めました。1日目は「なぜ今BD農業が必要か」をベースに、パネルディスカッション形式でBD農業の入門的学び、2日目は、ドニーさんによるシュタイナー「農業講座」第8講に係わる講演、3日目は、帯広市でBDを取り組んでいる黒毛和牛育成の中川農場とジャージ牛を飼い、調合剤作りをしている王BDファームの見学を行いました。
その学びの一部をご紹介いたします。


ぽっこわぱ耕文舎代表ピリオドニーさん
<バイオダイナミックとは?>
始めての方も参加しているので、まずBDの基本を話します。
まずはじめにシュタイナーは、「BD農業は、一つの有機体であることが大切」だと言っています。そのことについて話します。それから、1年間と1日のリズム、調合剤の500番と501番を少し説明します。その後は、みんなが参加して色々な意見を話しましょう。
<ひとつの有機体を目指す>
最初は、ひとつの有機体について話します。
日本においても有機体をつくるのはもちろん大事、でも今の経済の状態で日本でそれをつくるのはとても大変です。だからそれを目的としてその有機体をつくることを目指します。日本においては、中心が田圃になります。田圃のために水が必要。だから有機体の中に川があって、田圃があります。その回りに畑があります。北海道は別として、日本はものすごく畑が狭い。だから有機体を作るのは村全体と見て、田圃や畑の近くに山と林があって、それと野生の自然、原野のようなところがあって、野生の草地があること。あとは牛と牛のために放牧するところ。そのような有機体全体を作れば、サイクルがその中にできます。例えば、田圃からは稲わら、米ぬか、籾殻が出ます。山から、落ち葉、原野から大きな雑草(ススキや茅など)、畑から、草、野菜の屑が出ます。それらのものは、堆肥の材料になります。その堆肥の材料に動物の糞が加わります。その動物の糞が、堆肥の大切な材料になります。牛が草を食べて、糞をして、その糞と他の材料を混ぜて堆肥を作り、畑、田圃、放牧地に戻します。田圃、畑で作物が出来、それを人間が食べます。人間が食べて、生きることが出来ます。それでサイクルが出来ます。理想的な空間を作るのが大事です。今の経済優先の農業は、専門的になっていますから1つの農場で1つか2つの作物しか作りません。だからサイクルが崩れています。BD農場では、外から肥料等を入れることもしません。自分のところだけでなく、環境問題、温暖化問題の観点からも、回りもいろんな野菜を作ることが大事だと思います。だからその空間を作るのが大事になります。それが重要な部分です。
<宇宙の諸力を大地に取込む農業>
次に、BD農業が他と違うことは、宇宙の諸力を土に取込むことです。有機農業、自然農法、あといろんな菌を使っている農業もありますが、それらの農法は自然に土が宇宙の力を受けています。でもBDの場合は、調合剤を使って、もっと宇宙の諸力を土に取込みます。だからもっと積極的に人間が、シュタイナーの示唆した調合剤によって宇宙の諸力を土に取込むので、いい作物ができます。
どのように宇宙のエネルギーを土に取込むかということは調合剤のところでまたお話します。
<リズムと4大エレメント>
その前にリズムのことを話しましょう。私たちは、毎日、生活していて、日々のリズムがあります。そのリズムが大切です。
今9月の終わりで、今日は秋分で太陽の位置がちょうど半分ですね。(1年を通して太陽が12星座を通るとき、9月の終わり頃は、太陽が乙女座の中にある、つまり一番高度の高い双子座と一番高度の低い射手座の間の真ん中に乙女座があり、そこに太陽が位置している、という意味)6月の終わりは、太陽の高度が一番高かったですね。
今日はちょうど真ん中の時期。今日、朝起きて外を散歩したら、朝露が多かったです。8月の半ばから10月の半ばぐらいまで露がびっちりあります。水分がどんどん土に戻ってきます。冬の時期は水分が土の中に眠っている。北海道だったら雪が降りますね。でもそれは地面の上に眠っているだけです。春が来たらその雪が溶け、水分がゆっくり日の出とともに蒸発します。5月ぐらいから水のサイクルがどんどん上に上がっていき、土から蒸発します。だから大地の水は、土の中に出たり入ったりする水のサイクルは、6月から活発になります。一番寒い時、2月頃、外界から水は土の中に入って、土の中に貯まり、ほとんど外界には出て行きません。それから徐々に外に向かって行きます。春から秋は外に向かいます。よく観察をしてみると、冬の水たまりと、夏の水たまりは日照具合に関係なく、全然違います。冬の水たまりは土の中に貯まっています。夏の水たまりは、次の日は土の中に入っていって、水は出ません。だから土が呼吸しているんです。冬の時はほとんど呼吸していないのです。皮膚が閉まっているみたいな感じです。これは観察したら面白いですね。
次に光のリズムについてお話します。どんどんお正月に向かって太陽の位置が低くなっていきます。そのとき日は12月の終わりまで短くなりますね。その後太陽はゆっくり太陽の道が高くなって、3月の春分で真ん中になり、夏に向かってもっと高くなり、一番高い時が6月の21日か22日で、光が土の中にどんどん入ります。強く働きます。北海道はそのまま考えてもいいです。本州から九州は梅雨がありますから、その時は光が弱くなりますね。温度が上がります。一番熱い時が7、8月。その後温度が下がります。その熱が土の中に入って、その熱が土の中に残っています。例えば12月ぐらい、まだ残っている。昔のお百姓さんは野菜の保存のためにその土の熱を使っていたのです。
水、光と熱のことを話しました。最後に土のエレメントについて話しますが、これが一番難しいです。
作物が育っていって、実になって、種になる。その力は2月から始まります。一番強く働くのが5月です。5月は新芽がいっぱい出ます。1月の半ば、場所によりますが、だいたい木の樹液が上がっていくころ、それが2月のはじめ。外がマイナス10℃であっても、虫が卵を生む時期は決まっている。だから春は4つのエレメントが重なります。生きる力と言えます。反対は11月ぐらいです。ここは、エレメントがどんどん欠くなります。だから力が弱くなります。あとは、夏の時期に熱と光が強く働きます。反対の冬は、水と土のエレメントが強く働きます。これは1年間のリズムです。でもこのリズムは1日の中にもあります。朝は、太陽が出る前に光が出ます。太陽が出て、少しずつ温度が上がります。その後地温が少しずつ上がります。外から土の中にエネルギーが入ります。その後はゆっくり弱くなっていて、ゆっくり夕方から水分が戻ってきます。太陽が沈んで光が弱くなります。でもまだ熱があります。夜になると温度がゆっくり下がります。例えば土は夜の9時に25℃あったら、朝の温度は15℃のように下がっています。だから1年間のリズムと1日のリズムが重なっているのです。シュタイナーの考えた調合剤の作り方はこのことを意識していました。
<調合剤500番と501番>
調合剤の話に入ります。今日は特に500番と501番のことだけ話します。
なぜ500番は冬の時期に埋めるか、501番を夏の時期に埋めるか。健全に飼われている牛はいい糞を落とします。その糞を使っていい堆肥を作れば、人間のよい食料になります。その力をもっと調和的な働きをするためにシュタイナーが考えたのが調合剤500番です。それには牛の角と牛糞を使います。牛は毎日2時間ぐらい草を食べて、消化します。消化するとまた草を食べます。1日中消化しています。牛はあまり寝ません。牛は多分2時間ぐらい寝ているでしょう。あまり寝ているようすを見ません。ずっと食べて反芻して消化し続けています。ものすごく草を消化するエネルギーが強いです。牛の消化エネルギーの流れをイメージすると、身体の中に胃のところから、腸のところに入って、脚の下にいって、頭の方にいって、角のところに入るんです。角のところは出られない。だから戻ってきます。角は人間の爪と同じですね。皮膚が堅くなっている。角にはケイ素、タンパク質が沢山です。牛の爪もそうですね。羊、ヤギもそうです。子牛の時は、頭に小さい点があるだけで角が見えません。大きくなるにつれて角はゆっくり育ってきます。中に骨があって、その骨の中に空洞があります。血管と神経も流れます。ぽっこわぱで、牛の頭蓋骨を何カ所か切りました。調合剤505番で頭蓋骨を使うので沢山たまっていたので、いろんな角度で切ってみました。面白いですね。牛の鼻や口のところから空洞があって、その空洞は角の骨のところに繋がっています。だから牛が反芻するときに出すゲップ(ガス)がそこに入るんですね。消化するためのエネルギーが角に入って抜けないから角の中で戻ります。今、ほとんどの農家が牛の角を子牛のころに切っています。デメター(BD農業の認証)の場合は角を切るのは禁止しています。それには意味があります。角をもっていない牛と持っている牛の牛乳の質が全然違います。角がない牛の牛乳はその結晶(注:クリスタルゼーションという方法で塩化銅の水溶液の中に調べたい物質―例えばミルクーを入れて一定の温度と湿度を保ち、水分だけを気化させて、その物質がもっている生命力だけを結晶化する方法があります。)が崩れています。大きな問題はエサの問題です。有機農法に変えるとその違いが牛を見ていればすぐ分かります。性格が変わります。穏やかになる。ヤギだともっと分かります。ヤギはすごく静かになります。特にタンパク質をあげすぎるのが問題です。このことは経済の部分でもっと話しましょう。牛の角の意味が分かりましたか?
500番の調合剤は、秋に作ります。
北海道は寒さがきたらずっと寒いですね。だから早めに作った方がいいと思っています。角の中に新鮮で健康に飼われている牛の牛糞を入れます。角も牛糞もメスのものです。(注:角は出来れば出産を経験したメスのものを使用します。牛糞は全体量が足りなければ、健康なオスであれば、オスの糞でも構いません)牛糞の質も大事です。糞が螺旋の形になっているものが必要です。それをとって角の中に入れて、作ります。その後は、土の中に埋めます。多いところ、団体で作るところでは何万本も。ぽっこわぱでは120本ぐらい作ります。その後は、4月〜5月に掘出します。ぽっこわぱでは4月の半ばぐらいに出します。出したとき牛糞のにおいはありません。全体が黒くなっていて腐葉土の甘い匂いがします。緑色でくさかったら失敗です。だから冬の時期、角の中の牛糞が変化しているのです。埋めた後、秋から冬にかけて、エネルギーが角の中に入り、そのエネルギーは出られず、角の中で反響し合って角の中に留まります。冬の時期には水のエレメントが働きます。生命エネルギーと再生の力になります。これが500番です。
501番は、同じ牛の角を使います。その中に水晶を壊して粉にして、特別な溶かし方をして角の中に入れます。そして5月ぐらいに土の中に埋めます。そして夏中、土の中に埋めておきます。それを10月ぐらいに取出します。角の中の光の諸力、熱の諸力を吸収します。
だから500番は、冬の太陽の諸力をもち、501番は夏の太陽の諸力をもつのです。その後、その完成した調合剤を、500番は大地に、501番は植物に散布します。500番も501番も水の中に入れて1時間かき混ぜます。水の流れを作って壊す、それを1時間します。(注:水の中に渦を作って、撹拌する際、渦の流れる方向を左右交互に変えて、渦のカオスを作っては、また反対方向に回して作る、というこの撹拌作業を1時間します)この撹拌作業をするとき、その調合剤の力が水に移ります。撹拌した調合剤の液は、撹拌後3時間以内に撒いた方がいいです。大きい畑は機械で撒きます。500番は夕方の4時、5時頃を見計らって散布します。501番は、早朝に散布します。それぞれ影響を与える諸力が違います。朝早く、光と熱の力が土の中にあるうちに、撒きます。朝の力と夕方の力は、全然違います。朝の太陽の光と夕方の太陽の光が違います。観察してください。空の色も夕方は赤い、太陽は黄色い、朝の太陽は白く、空は薄い紫色。もちろん季節により濃くなったり薄くなったりします。ものすごくその観察は大切です。あとはその調合剤を使ってどんな結果がでるか。1反あたり、例えば500番が10グラムから15グラムぐらい使います。その中に微生物いっぱい入っています。ものすごい。1反あたりの土の微生物の量も恐ろしい量があります。その500番で、大地に働く微生物が変わります。500番の働き方は、やはり違います。微生物だけではありません。別なエネルギーも働きます。
500番を作るとき、または堆肥を作る時にその牛糞に気をつけてください。配合飼料を食べている牛の牛糞は発酵しません。特に肉牛の糞は気をつけてください。



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Edited by このみ/ Konomi Campbell 2008/12/02 19:15:25
Last Modified 2008/12/02 19:15:25

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